蟻の一穴

 大河の堅牢な堤防も蟻が掘った小さな穴から崩れだして決壊するの喩。

 というのは香港に対して中国本土がとった『香港国家安全法』、香港がイギリスから返還された1997年、鄧小平が今後50年間は一国二制度、香港は中国であるが今までの自由主義は認めると約束してまだ23年。

 返還された当時中国はまだ発展途上国扱いで経済的にも豊かとはいえない時代、香港の経済力は魅力的であった、ここで中国に完全に取り込んでしまうと香港がつぶれて元も子もなくなると考えた。

 あれから23年、今や中国は世界2位の経済体力、本気になれば香港は一晩で握りつぶせる、50年も勝手な真似はさせないというわけで今回の国家安全法の強行となった。

 ただ香港の弱みは『一国二制度』は台湾も同じであるが鄧小平の口約束、中国はことあるごとに香港に対する箍を占めてきた。

 香港の若者にとってはこのまま今の中国の体制に組み込まれてはとてもやっておれない、一度味わった自由のありがたさを勝手に手放すわけにはいかないというわけで抵抗をするが所詮は歯が立たない。

 しかしこのまま中国に組み込まれても、中国にとっては獅子身中の虫、いつかは目を覚まし、今の香港の若者たちが蟻となって大河の堤防に穴をあけるに違いない。

 中国にとっては天安門事件は何とか封じ込めたが経済力のある香港はそう簡単には伏せこめない。

 習近平が一番恐れるのは本土の若者が香港を見て目覚めることである。